意匠の違い
ターミネーター1作目と2作目でエンドアーム(主に手首から指先まで)の意匠が違うことは周知の事実です。ターミネーター1作目のスタッフ・キャスト・世界観の全てを見事なまでに引き継いでいる筈のT2なのに、なぜあんな重要なものの意匠が完全に変えられてしまったのか。その答えは意外に単純なものでした
「ターミネーター1作目の構造では、動きに制限があったから」なのです。
具体的には「指を曲げることはできても広げることができなかった」からであり、すなわちこの意匠変更はターミネーター2後半・ダイソン邸でのあの「皮膚剥ぎ取りシーン」をよりリアリティ溢れるものにするためだったと考えられます。ですから、意匠を変えたというよりは構造を一新したと言い換えることができます。
「じゃんけんのパーはできるが、空手チョップの形にはできない」もしくは「チョキはできるがフォークボールは投げられない」というところです。
ダイソン邸で内骨格をあらわにするシーンの「握った拳をさらにグッと握る箇所」でそれが確認でき、生々しい動きを表現しています。このグッと握る動きが、T1版エンドアームの構造ではできないのです。
「ターミネーター2といえばこのシーン」というランキングがあるとすれば間違いなく上位に入るであろうこのダイソン邸での一場面ですが、それほど衝撃的で印象深い出来栄えです。このシーンの成功の裏に、エンドアーム構造の一新という背景があったことがお解りかと思います。
REMAINS of the first terminator