動力パイプ
アニマトロニックバスト製作時には関わりのなかったこのチューブですが、今後は便宜上「動力パイプ」と呼ばせて下さい。これの特定にも非常に骨が折れました。行く先々のトイレや水回りを凝視しては「近いけどコレジャナイ」という状況が続き、さすがに3Dプリンター出力やフルスクラッチは無理と頭を抱えていたところ、私のアシスタント(ウェブデザイナーでありムービーエディターであり3Dグラフィックも操るマルチな「ミスターカトー」君)が探し出してくれました。全くプロップに使用されているものそのものです。これは通称「スタンドチューブ」と呼ばれ、医療機器やマイクスタンドなどに使用されるものです。ソフト・レギュラー・ハードの3種の硬さがあり、太さの規格も豊富です。今回は硬さレギュラーを選定し、太さも資料から割り出したφ15.0の規格を採用しています。ちなみにこれ、普通にウェブ検索すれば出てきますが、いかんせん特注のみの製作となっており個人レベルではそれなりの覚悟をもってご注文下さい。
素材が揃えば次は固定方法と曲げ角度です(上端固定部分についてはスタンド・ベースの項目に譲ります)。下端の処理は、資料を見ると黒染め金属製キャップをボタンボルトで固定し、しかも固定されずに宙に浮いています。胸郭上部部品と頸椎に挟まれて固定されているのか、本当に宙ぶらりんなのか判断が付きにくかったことと、いずれの方法も作品の耐久性に関わると判断した結果ベース部分に着地するよう処理しました(スタンドチューブは意外と重量あります。上端一点固定では心もとないのです)。
曲げ角度については資料を精査して試行錯誤の末に決定しました。近い線行っているのではないかと思います。ああでもないこうでもないと2時間くらい費やしております。
Making of T2:OP Prop Replica