最後に

ここまでの項目の全て目を通して頂いた猛者がどの位いらっしゃるのか知る由もございませんが、ここに製作後記を。

細かい作業の連続の中、ふと冷静に「何のためにここまでやっているの」と自らに問いかけました。それほど繊細で、馬鹿げていて、高度な作業の連続だったのです。その度に私は「だってあのプロップの最高のレプリカ作りたいし、欲しいし、飾って眺めてニンマリしたいもん」と呟いていました。アニマトロニックバストはじめ、今まで製作した作品たちが国内外の多くの方たちと私を結び付けてくれたし、また今回のOPプロップだって誰かとの架け橋になってくれるのかなという期待もあります。事実、この文章はじめとして作品の全てを公開しようという今、皆様からどんな反響があるのか楽しみで仕方ありません。ぜひご意見ご感想頂戴できればなと思います。

さて解説の各項目で時折述べました通り、やり残したことや後悔した箇所はいくつかございます。しかしこの作品のクオリティが、現段階での私の技術力・考察力・再現力・調達能力および精神力を結集させた全てです。これ以上は今のところできませんが、少なくとも今後さらに質を高めた物を製作するノウハウや教訓は得たつもりです。最後に、完成間際になって気付いた私の見落としていたOPプロップの特徴を一つ。

T展にて展示されたターミネーター2のプロップ(エンドスカル) T展にて展示されたターミネーター2のプロップ(エンドスカル)

「なんじゃこれは!」

そう、頭頂部モールドが何か違う・・・。気づかなかった・・・・。 質感が明らかにアルミであり、後付け感満点であることからおそらくこれはメッキ処理・組立の後に施されたのだと推測できます。「おそらく」ですが、頭部内に仕込まれた電飾用バッテリーの交換用ハッチなのではないかと思います。そりゃあT展で光らせることができない訳だ。ここが開くなんて想像もつかないだろうし、気付いても開ける勇気はないわな(あくまで私の妄想)。

※T展で撮影された全ての生画像をご提供下さった東京都・Platypus氏と、あらゆるシーンで尽力してくれたミスターカトーヒロキ君のお二人に改めて感謝の意を表します。