蒸着メッキ

ターミネーター2のプロップ(エンドスカル)のレプリカ

アニマトロニックバスト製作時には「6層電解クローム」に拘っていましたが、プロップの真似をするならばやはりプロップ同様真空蒸着メッキを採用です。6層クロームはある程度の厚みがあり、素体表面のピンスポットなどは埋めてくれたのですが、被膜の薄い真空蒸着ではそうはいきません。素体表面の凹凸を見事にそのまま拾ってしまいます。ソースは失念してしまいましたがある資料に「あのオープニングで使用されたスカルは、他とは違って特別丁寧に表面を磨いて下地を作った」という表記がありました。確かに他のプロップよりもOPプロップは輝きが違います(ただしそれは過度な汚し表現を入れていないからというのも理由の一つだと私は考えます)。

T展にて展示されたターミネーター2のプロップ(エンドスカル) ターミネーター2のプロップ(エンドスカル)のレプリカ ターミネーター2のプロップ(エンドスカル)のレプリカ

しかし丁寧に仕上げられたとは言え、資料を見ていると完璧な表面処理が施されているとは言い難く細かなスポットはあるし、番手の若い研磨痕も散見されます。ですので、今回の作品の下地を作る際は過度な神経を使う必要はなく「腹八分」程度で研磨しました。ただし、致命的なスポットや打痕・ペーパー痕がないかをチェックするため、最終的な鏡面塗装はブラックウレタンにて行いました(通常は透明ウレタン厚吹+コンパウンド鏡面研磨というのが蒸着下地のスタンダードのようです)。

T展にて展示されたターミネーター2のプロップ(エンドスカル)

今回メッキが上がってくるまでの最大の楽しみは「クロームの歯」でした。OPプロップの最大の特徴と表現しても過言ではないでしょう。アニマトロニックバスト製作時には歯科用アクリル義歯に植え替えていかにそれらしく見えるか努力しましたが、今回はその苦労から解放された分「隙っ歯表現」には細心の注意を払いました。