#018 : エンドスケルトンの魅力とは
私がなぜ「1作目の工場内追跡シーン」のエンドスケルトンにこだわるのかについて、持論を語らせてください。あのシーンはシリーズ4作中ただ唯一「現代で暴れまくるエンドスケルトンの姿」が見られるからです。2作目の冒頭に登場するエンドスケルトンは審判の日以降の未来世界でのものですし、3作目のエンドスケルトンはジョンの夢の中(やはり未来)の姿です。4作目に至っては、あれは映画の舞台そのものが未来ですよね。言葉で表現するのがとても難しいですが「2作目以降のエンドスケルトンには現実感が無い」のです。当初、2作目の製作前にキャメロン監督は「終盤はアーノルドの面影を完全に失った状態のエンドスケルトンがT-1000と戦う」という設定を思い描いていたそうです。ただ特殊メイクや特殊効果の側面から時間とコストが掛かりすぎるという理由で没となってしまいました。もしそれが実現していたら、私の最もお気に入りのシーンはそちらになっていたかもしれません。
もちろん、シリーズを追うごとにエンドスケルトンの動きはリアルなものになっていきます。3作目・4作目のそれはほとんどCGなのですから当然でしょう。1作目の終盤で見られるエンドスケルトンは、ストップモーション撮影による全身像と、原寸大プロップを使用した各部のアップで構成されており、3作目・4作目で見られる「人間さながらの動き」には見劣りします。しかし、最も恐ろしく、リアリティに富むは1作目を置いて他にありません。「あの雰囲気」を再現したい一心から、Animatronic Bustのプロジェクトをスタートさせたといっても過言ではないのです。
この考えから、市販の「プラズマライフルを握ったエンドスケルトン」などの「未来戦争下の設定」のオブジェにはあまり興味をもてないのです。人間の白骨化した頭部が散りばめられたベースなどにも興奮を覚えることはありません。私のお気に入りの1/4サイズのエンドスケルトン(SideShowcollectible製)も、プラズマライフルは持たせていません。1/1サイズのエンドスケルトン(同)の右腕にあるプラズマライフルは右腕に固定されているため外すことが出来ないのですが、時間を見つけて外す予定です。
なお、Animatronicsを追求するT-STUDIOでは、頭部可動のみのver.1.1/1.2に引き続き、眼球可動を取り入れた2.1を完成させましたが、今後はT3のジョンの夢の中でのエンドスケルトンの「下顎の微妙な横の動き」も取り入れたいですし、両腕を含めた上半身可動モデルなどにも挑戦したいと考えています。みなさまのリクエストや好みの仕様について、ぜひご意見をお聞かせ下さい。
研究と考察
関係者へのインタビュー