#011 : 口のシリンダー部品について
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ターミネーター2作目のオープニングに使用されたプロップには美しい仕上げがされています。
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以前ebayにて見かけたターミネーター1作目のプロップ。造りが粗いです。
エンドスカルを構成するパーツの中ではこれも特徴的なものといえます。これも他の部分と同様、プロップによって形状や構成、接続部の処理などに違いがあるようです。M1号社製キットの素晴らしい点の一つに、「このパーツ出来の良さ」があります。ステンレスを精密に削り出したパーツ群で構成され、作り方によってはエンドスカルの口の開閉と連動させることも可能です。アニマトロニック・バストの製作時に、この部品にもクローム処理をするか否か迷いましたが、メッキの厚みでエッジを失ってしまうのがもったいないと考えてそのまま使用することとしました。
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市販製品のシリンダー部品。一体成型のパーツとなっており、ひとつひとつのパーツに「独立感」がない。メッキの厚みも相まって「粗い印象」は否めない。
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そんな市販品の中では、このICON社のものは比較的奇麗な仕上がりと言える(画像は独自に入手した「メッキ処理される前」のICON社のパーツ)。
なお、アニマトロニック・バスト ver.1.1を直接ご覧になった方から「口にもメカニズムを仕込んで開閉させないのか?」と聞かれることがあります。頭部や眼球の複雑な動きに比べれば、口の開閉などは容易なことです。ただ、私には「人間の姿をしたターミネーターは、人間らしく振る舞うために口を開閉させる必要があるが、エンドスケルトンの状態では人間の振る舞いをする必要がないため口を開閉させることは絶対にない」という持論があります。実際に、劇中でも口を開けた状態のエンドスケルトンは出てきません。ですからもし口の開閉の仕組みを持つアニマトロニック・バストの製作依頼を頂いても、私の信念に反するのでお断りしています。
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ターミネーター3作目のプロップ。下顎との接続部分の処理に特徴があります。
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M1号社製エンドスカルキットに付属のパーツも、このような処理がされています。
研究と考察
関係者へのインタビュー