またアルゴノーツを組みたい
2013.04.13
当サイト内でも散々「変態扱い」している「アルゴノーツ 1/4 エンドスケルトン」ですが、この画像をみるとそれを再認識させてくれます。
少し真面目に語らせてもらいますが、このキットの凄い所はその総パーツ数もさることながら、各部を極力可動させるべく配慮されているところにあります。エンドスケルトン本体原型に関しては、やはりこちらも当サイト内で頻繁に名前を出させて頂いている高橋清二氏・小阪勝氏の手によるもので、両氏の観察力・造型力・再現力によって素晴らしい出来となっています(ちなみに、私のお気に入りでもある「SIDESHOW製1/4エンドスケルトン」の原型のほとんどはこのキットのパーツが使用されています)。
確かにソフビ故の耐久性の問題や、コスト面に起因する足指の可動断念問題、不親切な組立説明書問題など、プラズマライフル原型製作でこのキットに関わった千葉延雄氏が「残念」と苦言を呈するような諸問題もありますが、そこは組み立てる側の技量でじゅうぶんにカバーできると私は考えます。
2000年頃、ある人の依頼で一度だけこのキットを組んだことがあります。前出・千葉氏が作例・解説を担当したホビージャパン誌の記事を参考に各部を金属に換装して、極力キットそのものがもつ良さ(シルエットや可動ギミック)を最大限活かして取り組んだ記憶があります(惜しむらくは、その作品の写真が残っていないという事)。
「もう二度と組みたくない」というのが当時すべてをやり遂げた際の私の感想です。それほどタフな工作でした。しかし、おかしなもので先日SCOOP製1/6エンドスケルトンで久々のスケールモデルをやって「うむ、これもまた良し、次はアルゴノーツ!」的気運が私の中で高まっています。しばらくライフサイズ(等身大)ばかりを手掛けてきたことから、スケールモデルの楽しさ・奥深さをこれでもかと感じさせられたのです。
最近、HOTTOYSからリリースされた1/4 エンドスケルトンですが、イマイチ魅力を感じないのはアルゴノーツ(SIDESHOW 1/4)のスタイリングが抜群だと知っているから。HOTTOYSはここ数年、飛ぶ鳥を落とす勢いで次々とハイクオリティな製品を発表していて、なるほど今回のエンドスケルトンも表面処理や可動ギミックもさすがと思わせるものがあることは事実です。しかし、何かが違う。各部の造型や全体的なシルエットからアルゴノーツのような“執念”めいたものが感じられない。HOTTOYSの原型製作陣営が、そのテクニックとセンスを以て淡々と仕上げたような気がしてならないのです(否定ではなくあくまで批評です。私もモノづくりを志す身ですのでHOTTOYSの仕事には敬意を持っています。「本当すげえメーカーだな。日本のメーカーは何やってるんだよ!」といつも思っています)。
話を“執念”に戻します。アルゴノーツ1/4は、高橋・小阪両氏がノギス片手にハリウッド取材(しかもアポ無し)を敢行してエンドスケルトンをくまなく採寸(変態要素1)、そして各パラメータを持ち帰って1/4サイズにて原型を製作(同2)し、さらに製品化に際して極力フル可動目指してパーツ分割(同3)というストーリーがあって存在します。もうこれは“執念”以外の何物でもない。この「執念のカタマリ」ともいうべき名作キットを、人一倍の執念を以て組み立ててみたい、仕上げたい。
そんなことやってる余裕・時間・体力・精神力があるとは言えない現状ですが、近いうちに着手できればなと考えております。もし未組立のキットお持ちの方で、ご興味ある方はこの記事へのコメント、もしくメールフォームからお気軽にご連絡下さい。
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