少年
2017.04.12
2016年の12月半ば頃、ある女性から「ターミネーターが大好きな息子がぜひT-STUDIOを見学したい」とのメールがあり「それでは年始にでも」と回答。これまで、いわゆる「マニアなおじさん」もしくは「メディア関係者」の来訪はありましたが「少年とそのファミリー」というのは初めてで、最初は「!?」という印象だったのが正直なところ。しかし、来訪当日までに何度かやり取りしたメールには「今日もDVDでターミネーター1と5を観て、USJではアトラクションよりt-800の等身大フィギュアに見入っております」だとか「サントラではターミネーター1と2、また5の聴き分けも得意です」などの微笑ましい内容の数々が。聞けば住まいは大阪で、わざわざT-STUDIOのためだけに名古屋にいらっしゃる、と…。
とにかく「すごくターミネーターが好きなんだな…」というコトが明らかで、来訪当日の朝などはこれまでのテレビ取材やアーノルド対談なんかよりも数倍も背筋が伸びていた私です。昔からとにかく子供が好きで、色々と教えるのも大好きな私は教員を目指そうかとさえ考えた時期がありました。しかし、人生を左右しかねぬ責任を負うことへの恐怖感から直ちに断念した経緯があります。「子供の頃の強烈な思い出や出来事が、後々のその人の人生に多大な影響を及ぼす」ことを身をもって分かっているだけに、責任は大きいです。こんな私ですから、当日はかなり緊張していたんです。
何も語らずにじっくりとエンドスケルトンを凝視するKくん(小学4年生)。日頃はネットでターミネーター関連を検索し、T-STUDIOサイトも毎日のように眺めているとのこと。「どうしても手で触ってみたいモノがあったら教えてね、持たせてあげるから」という私の言葉に目を輝かせる彼。塗装前のヘッドや完成済みのアームをそっと手渡し、とても大切そうに抱えてくれたその姿が実に印象的でした。心配そうに見守るご両親に「お父さんお母さん、どうぞお気遣い無く。彼が居たいだけ居させてあげて下さい。私は大丈夫ですから」と伝えた際の彼の子供らしい喜びの表情とガッツポーズに、私まで嬉しくなりました。
「冬休みの宿題は終わった?」「勉強が何が得意?何が嫌い?」という質問には「漢字が苦手なんだ」と苦笑い。「漢字は『絵』なんだよ。そう思えば簡単」との助言に目を丸くする彼。
後日、お母様から写真をたくさん頂きました。私が帰り際にプレゼントしたツクダの1/9エンドスケルトンのプラモデルをお父様に手伝ってもらいながら組み立てる様子や、苦手な漢字に取り組む様子など。以下はお母様からのお便りから一部抜粋。
「いただいた貴重なプラモデル、昨晩やっと完成したようです!始めはパパに手伝ってもらいましたが、後は自分で仕上げました!プラモデルのおかげで宿題も超高速で仕上げ、朝はお寝坊ですが、6時に起きて作業しておりました!これから、カラーやダメージ具合を構想練るそうです(笑)。固定するのではなく、可動式にするために私のネイル用品であるアクリルを使ったり、試行錯誤しながら自分仕様にしたようです。しかし、この度お目にかかれたおかげで、大げさではなく、息子には生涯の大師匠に会えたようです。そのためには今何を頑張るか意識して、将来に向けて成長してほしいな、と願います。」
別れ際に私は彼に言いました。「こうして名古屋まで来られたのも、お父さんお母さんのおかげなんだよ。特に、今日のために段取りを頑張ってくれたお母さんには感謝するんだよ」と。
三人とも、遠いところをわざわざありがとうございました。K君、また来てネ。
素晴らしいご家族との出会い、非常に羨ましく思います!
Kくんのお母様の仰るように、彼にとって忘れられない経験・体験・出会いになったのは間違いないことと思います。
実は僕は幼少期、昆虫が大好きで、昆虫採集したり、標本を作ったり、図鑑を眺めたり実際に飼育してみたりするのが大好きな少年でした。
親代わりの祖父母が、そんな僕のために、夏休みは必ず泊まり掛けで昆虫採集を兼ねた家族旅行、どこそこで大昆虫博をやっている、とか、近隣の県のこの町にアマゾン資料館があるらしいとか情報を入手しては熱心に連れていってくれたのを思い出しました。
ただただ勉強、だけではなく、子供の興味のあることに理解を示し、そんな部分の視野も広げてくれた祖父母に今も感謝しています。
ちなみに二人とも、職業は学校関係でした。
残念ながら祖母は5年前に亡くなりましたが、祖父は未だ健在、母と田舎の実家に二人で暮らしております。
この記事を拝見して、たまには帰郷(かえ)らないとな、と思いました(笑)。
長々失礼しましたm(_ _)m