変態画報フロム名古屋
2017.03.24
ここ半年ほどの間にあった出来事を一気にまとめたレポートを掲載予定でしたが、なかなか執筆・編集が思うように進まないために一旦ここで最新の情報からアップしようと思いますのでお付き合い下さい。さてまずは上の画像。「左腕」ですね。T1ラストでは左手首が吹き飛ばされているため、劇中の再現というよりは「プロップそのものの再現」といったところです。あるコレクターさんからのご用命で仕上げた等身大作品ですが、比較対象になるものがないためサイズ感が伝わりにくいのが心苦しいところ。この記事をご覧の皆様はぜひご自身の左肩に目をやって下さい。そして自然に視界に入るであろうその左手首までの範囲に映る像のおよそ1.2〜1.3倍くらいの大きさをイメージして頂ければこの作品のボリュームがおわかりだと思います。
この二枚の画像は、以前にご紹介したことがあるT1アーム左右のプロップです(詳細はこの記事を)。今回の依頼者様と打ち合わせをした際に参考にした個体ですが、言葉では表現できない独特のオーラを放っています。細部のプロップ再現は当然のことながら、どこまで「この雰囲気」を再現できるかが今回の作品の焦点でした。
この重量級作品にはアシスタントの加藤による検証、パートナー榎本の緻密なアッセンブリー、T-STUDIOヨコハマの松本氏による金属切削という「T-STUDIOファミリー」の魂が籠もっています。ご用命頂いた広島のN様、遂に完成しましたよ!
お次は「M1号キット」作例です。おそらく過去に手掛けたM1号作例の中で最も時間がかかった作品かもしれません。T-STUDIO得意のSWスタジオ風ダメージ表現無しの、『工場でできたばかりのT-800を』という依頼に基づき製作しました。私の解釈では、できたてのT-800というのは下の画像の「T2予告編」のエンドスケルトンがそれで「クロームの上からクリアー層が一枚乗った感じのツヤ感」がその特徴だと考えています。市販品の「クリーン版」として販売されているクロームピカピカのものは、どうも私のイメージとは違うのです。
この微妙な質感に対する私の感覚、うまく伝わるかなあ…。今や立派なエンドスケルトン博士たる榎本に言わせれば「クリアー層」のみならず「頬骨の気泡」「肘裏の特殊ビス」というワードが噴出する画像群です。こんなのばっかり凝視してはなんとも言えない溜息を漏らす。「狂気の工房」と言われる所以です。
見づらいですが頸椎裏側には眼球発光用ボタンに電源用DCジャックが埋め込まれ、台座にはキット原型のブラッシュアップを担当された高橋清二氏のサインが入っております。前回コラム「『ソフビには見えまい』の巻」でも声高に叫びましたがもういちど言いましょう。「ソフビには見えんじゃろ(村尾ゴジラ氏風)」。
簡単に解説しておきます。基本的にはM1号キットをそのまま使用し、眼球とレンズはT-STUDIO謹製部品に換装、上顎側のみプロップ由来の義歯に換装しています。キットには付属しないオイルラインと後頭部シリンダーはT-STUDIO謹製パーツ、また眼球の発光はフェードイン・フェードアウトの謹製基板を使用しております。東京のM様、ようやく納得のいく「できたてスカル」ができましたよ!
最後にコチラを。エンドアームならぬ、エンドフットの登場です。T-STUDIOへの電撃参画からはや二年、今では日本有数の「エンドスケルトンおじさん」と相成った榎本氏による究極のレプリカ。検証・考察・再現の一連の流れをたった一人で黙々と行う彼の体内に脈打つのは、完全にT-STUDIOの血そのものです。そう、数年前にT1アームを再現したあの誰かさんと同じ血です。スケールはもちろん1/1で、各指は全て可動式。T1版準拠で、この夏に京都の某ギャラリーに永年展示されるT1版エンドスケルトン全身像に使用します。
このようなT1劇中画像のほか、高橋清二さんから提供頂いた資料写真を参考に製作されたT-STUDIO謹製T1フットは、「足裏」もスゴイんです。そのあたりについては次回のコラムで榎本コメントとともにお伝え致します。
次回コラム予告:①厳粛な結婚披露宴にエンドスケルトン現る!?の巻②大阪から来たジョン・コナー少年の巻③変態アルゴノーツ1/4エンドスケルトン第二弾の巻④エンドフットの土踏まず公開は宇宙船以来の快挙!?の巻、の4本立てにてお送りします。乞うご期待。
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