サイバーダイナミクスコーポレーション
2015.10.07
ターミネーター好きが高じてやっているT-STUDIOという活動。好き過ぎて好き過ぎて、工房では何日かに一回、T1本編を流しています(「またか!」と苦笑いするパートナーの榎本氏の表情も今では恒例)。
かくして、こんなものを手に入れた私。「Shooting Script」とあるように、現場で関係者が携えていたおそらく最終決定稿でしょう。もっとも、低予算・ゲリラ撮影満載の1作目に関しては準備期間こそ潤沢にあったとはいえ、そう何度も改訂・差し替えは経ていないのではないかと私は思います。
二作目公開後に出版された日本語版のT2シナリオ本も文字通り穴が開くほど読んだ私ですが、シナリオの面白いところは「ト書き」部分の描写と、実際に映画で採用されたセリフや挙動と異なる部分(現場で変更された部分・編集でカットされた部分)を探すことにあります。
二作目の最後でT-800が「I need a vacation」と呟きますが、あれは現場でキャメロン監督と相談して生まれた即興のひと言だというのは有名なお話。クランクアップ間近の疲弊しきった現場の声をあのセリフに集約し、代弁したというものです。
話をT1に戻します。
私はひと月ほど前、突然思い立ってT1のセリフの全てをDVDから抽出し、A4用紙50枚弱に出力して悦に入っていました。しかしそこには無機質なタイムコードとセリフがあるのみで、臨場感はありません。誰のセリフなのか、どのような場面なのかはT1を繰り返し観た私でさえも一瞬「?」となってしまいます。
今回入手した当時の台本の実物。劇場公開時にはカットされてしまった衝撃のラストシーケンス(「猿の惑星」のラストシーン張りに鳥肌が立つあの場面)ももちろんそのまま盛り込まれていますが、なんとスカイネットの前身たるCYBERDYNESYSTEMS社の名前が異なっていることを発見。またあの名セリフも現場で変更されたということもわかります。
手にしてまだ数分のうちにこの原稿を書いていますが、このように本編と異なる部分を既にいくつも見つけました。この手の作業、古文書を紐解く学者よろしく徹底的にやり込みたいところですが、ここはグッと我慢して老後の楽しみにでもしようと思います。
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