もう、一人じゃない。
2015.03.30
高山・留之助商店の店長として7年間勤め上げ、次に彼が選んだ場所は名古屋でした。
榎本龍彦氏:通称eno
コレクター向け店舗の店長としての実績のみならず、モデラーとして、エイリアンフィニッシャーとして、また大御所(中子先生)の秘書としてのこれまでの彼の実力は私だけでなく業界全体が認めてきたところ。「ハタナカさんと一緒に造形がしたい」そう彼が私に話してくれた時、私に迷いや不安を抱く余地が一切なかったことは、彼のタレントを知る者であれば誰もがおわかりのはず。
居を高山から名古屋へ移し、彼はいま連日私の工房にいます。T-STUDIOへの参画という形ではなく、[大日本工房]という名のプロジェクトを二人で起ち上げるという体を取っています。現在、そのプロジェクトの第一弾となる作品を進めていますが、これは私が長年やりたくてもできなかった“あるテレビ作品のあるアイテム”に特化した企画です。本業の傍ら進めているT-STUDIOの活動は現在数件の製作案件と大型案件を同時に進めています。本来であればそのような別プロジェクトなど夢のまた夢のお話なのですが、彼のような強烈なパワーと技術の持ち主の参画によって、この1ヶ月でその企画は一気に進展をみせました。
もちろん、時には私の作品製作のアシスタントとして活躍してくれることもあろうかと思います。しかし彼はいつかハッキリと私にこう言いました。「T-STUDIOとはつまり『ハタナカマコトそのもの』であり、作品のテイストや世界観を左右する部分には一切加担するつもるはない」と。こうした部分はまさに、彼が長年「アーティストとそのファン」というリレイションを数多見てきた中で培われた信念に他なりません。こういう部分においても実に頼もしいパートナーです。
この画像は、ふと作業の手を止めた二人が真剣にエンドスカルについて語り合っているところです(一人ぼっちだったこの数年間には有り得なかった光景です)。あの高山の有名個体の傍らに7年以上も居た男ですから、エンドスケルトン論にも説得力抜群なのは言うまでもありません。私の知識が「検証・考察の結果」から得たものであるとすれば、彼のそれはきっと「骨身に染み付いたもの」からなのでしょう。間違いなく私には無い部分です。
そんな彼と共に手を取り合って進める[大日本工房]の活動を、ここをご覧になるT-STUDIOサポーターの皆さまもどうかご支援・ご声援を宜しくお願い致します。
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