The pedestal of “it”
2015.01.27
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数多ある市販エンドアーム(もちろんT2版)ですが、その意匠性と芸術性からお買い求めになられた方も多いと思います。タイムレス版・アイコン版・SIDESHOW版・ハリコレ版に加えてタイ製のレジンキット等々がそうです。T2前半で、マイルズ・ベネット・ダイスンがサイバーダインシステムズ管理庫内にて恍惚の表情で見つめていたのがいわゆるアップ用の「オールメタル製ヒーロープロップ」でありますが、先述の市販品群はすべて本編後半でジョンがガッシャーンとやって無造作に鷲掴みにする「アクション用」を元にしています。
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今回のコラムで注目して頂きたいのはアームではなく「台座」です。劇中同様、アルミ削り出しで目方は実に8kgもあります。安定感バツグンです。市販品付属の台座では何故か勝手な意匠が追加されている天面は、T-STUDIOが独自に入手した資料と劇中画像考察から図面を起こして再現しています。専用のOリングや、分割ライン(プロップ同様2ピース構成です)など、「これがT2アーム台座です」と自信を持って宣言できる仕様のものです。また表面処理はプロップ同様「少し曇った」仕様としており、切削そのままではあまりにも輝いて美しすぎたためにあえてスコッチを当てて荒らしています(プロップも、わざわざアルマイト処理したとは思えないのでおそらくこの手法だと考えられます)。
前置きはこれくらいにして本題。
さて、この台座自体は昨年夏には出来上がっておりました。しかしいかんせん乗っけるアームに適当なものがなかったのです。市販品アームに対するT-STUDIOの見解はこれまで何度も述べてきておりますが、このような決定版台座にどうにもあれらを乗っける気が起きなかった、そういう理由です。
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今回乗っけているアーム、昨年ヤフオクに出品されていた個人製作のエンドアームで、指の関節は全て新造もしくは修正が施されており、第一・第二関節は可動します。アクション用同様に、アルミ新造パーツもふんだんに使用されており「おいこれの作者、相当なスキモノだね、変態だね」と感嘆の言葉をあげずにはいられぬ造り込みと仕様。実はこのアーム、ウォッチリストに入れていたもののどうにも踏ん切りがつかず入札を見送ったものなんです。ではなぜ私の手元にあるのか。世間は狭いもので、先日私の作品を納品した某氏邸にそれがあったのです。
一部破損していた指の修復とリペイントをその場で引き受け、名古屋へと持ち帰ったのが2014年の年の瀬のことです(M様、お待たせ致しました)。かくして、納得のリペイントと修復作業を経て件の台座へと収まったアーム。本当は細部まで写った画像を並べて専用ページでご紹介したいところではありますが、それはいずれやりたいと思っている「T1アーム+決定版台座」の時まで耐え忍ぼうと思います。
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というわけで、コラムにしては長々と語ってしまいましたが本年もT-STUDIOをどうぞ宜しくお願い致します。
※どうしてもこの決定版台座が欲しいという方には製作を承りますが、何ゆえ巨大なアルミの塊から切削する為10諭吉強は覚悟のうえお問合せ下さい。
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