寵愛を受ける「非売品」〜その2〜

ここ半年で我がT-STUDIOを訪れる頻度がずいぶんと増した榎本氏。私の工房へ来訪されるたびに「差し入れ」と称した紙袋を渡してくれるのですがその内容がまた素敵です。「先日某所で安く売っていたので買っておきました」と、M1号スカルキットをごく普通に持ってきてくれたと思えば、「うちに置いておくよりもここにあったほうがいい」と、“榎本フィニッシュ版・M1号スカル”をおもむろに取り出したり・・・。

中古M1号エンドスカルキット
M1号エンドスカルキット,制作:留之助商店榎本店長

おそらく「小洒落た洋菓子やお茶の類なんかより、あの人にはこれらのほうが喜んでもらえる」という発想からの彼のこのようなサービスの数々には単純に苦笑してしまうのと、如何に私がイカれたコマッタちゃんなのかを痛感するのに十分なエピソード。中子先生に見初められ、高山の店舗を切り盛りしているという実績はやはり伊達じゃありません。御大から寵愛を受ける「非売品」たる所以がこんなところからも垣間見えます。

1学年しか違わない同世代であることや、作品に魂を込める・納得いくまでとことん追究するといった「変態性」を共通項として、互いに認め合い切磋琢磨してきた私と彼。主に私はターミネーターで、そして彼はエイリアンで世間からの評判と地位を確立してきましたが、実際には二人共その他にも造型対象が数多あったりします。それらへの想いやこれからの活動について話し合う機会が増えている今日この頃。

ステータスや経済的成功よりも「造型への情熱」が優先してしまうという“困った性癖”を持つ二人ですが、そう遠くない将来に、二人の「奇跡的融合」が実現するかもしれません。私も榎本氏も、今日いまやるべきことを全力でこなしつつ、来たるべきその日のために英気を養っている、そんなところです。

榎本さん、早く二人で何かやれたらいいですね。その際に喜んで下さるであろう方々はたくさんいらっしゃいますよ。ね、みなさん。

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