寵愛を受ける「非売品」〜その1〜
2014.08.22
このサイトでも何度かお名前を出させて頂いた中子真治先生。氏がオーナーである留之助商店はSFコレクターのみならず、今ではデザイナーズトイ業界においても確固たる地位にあります。岐阜・高山にあるその“城”を守っているのがこれまた当サイトで幾度と無く登場して頂いた「榎本店長」、その人です。
話は2年以上遡ります。
アニマトロニックバストの開発が佳境を迎え、いよいよT-STUDIOの活動を如何様にして世間に発信しようかと思索を巡らせていた2011年某月某日、私はその城へ一本の電話を入れました。
動くエンドスケルトンを製作していること、サイトの内容を充実させるために一度高山を訪れたいというリクエストなどをひと通り話し終えた私に返ってきた榎本氏の第一声は「ベースはM1ですか?」でした。この一言でどれだけ私が安堵したことか。つまり「さすが中子先生の秘蔵っ子。話が早い」という第一印象だったのです。
私のこの奇特な活動に賛同してくれた榎本店長は、その後も取材協力という形やアドバイザーとして、そして中子さんとのパイプ役として尽力してくれたのであります。
私は彼に会うまで容貌はもちろん人柄に関して皆目想像もできませんでしたが、中子さんにとっての大切な人だということはかなり前から知っていました。以下は2006年に残された中子さんのブログの一部です。最後の括弧書き部分こそがこの記事の肝だと思います。私はそう確信しています。
少なくとも留之助商店はプロの商人を目指す。 だから非売品はない。 ショーケースだろうが、使用中の電話だろうが、店から移動できるモノすべてにプライスが付く(店長候補君だけは当分非売品)。
(留之助商店・店主ブログより抜粋http://tenshu53.exblog.jp/3941975/)
つづく
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