憧れのひと
2012.05.25
中子真治。
私がこの名前を知ったのは「THEターミネーターALBUM」というターミネーター1作目のメイキングムックで、氏が全面監修した1冊です。ジェームス・キャメロン監督(T2でさらにその名を世に知らしめる以前)への単独インタビューは中子氏自らが取材を行っている他、スタン・ウインストンスタジオの当時の光景、貴重なプロップの写真などを見ることができ、文字通り「貴重な資料」として今もなお大切にしています。この本を手にしたのは私が12歳の時で、その後大学進学で京都に居を移す時も、また就職で名古屋へ帰ってくる時も常に連れ出していた1冊です。
「アニマトロニクス」や「アーマチュア」という言葉を知ったのも氏の名著「SFX映画の世界」の中の一篇からでしたし、とにかく私とターミネーターを語る上では欠くことのできない人物であり、書籍たちなのであります。
時は流れ、インターネットの時代へ。
再び中子さんの名を目にしたのは「留之助商店オーナー・中子真治」としてでした。留之助商店ウェブサイトの店主ブログをくまなく遡り、スタン・ウインストンからエンドスケルトンを譲り受けたエピソードを発見した時にはとてもエキサイトしたものです。
貴重なエンドスケルトンの全身を見ることができるという点よりもまず「高山に行けば『あのひと』に会えるんだ」という興奮は日に日に大きくなり、アニマトロニックバストの製作中も「完成したら真っ先に高山に出向いて中子さんに見てもらおう」と念仏のように唱えていました。
かくして、眼球可動版アニマトロニックバストの完成直後の2012年4月、留之助商店の店長である榎本氏の計らいで対面を果たしたわけですが、「これはすごいね」との言葉を中子氏から頂いた時の感激は生涯忘れ得ないことでしょう。
昨日、「NAKAKO NIGHT」と銘打ったトークライブが新宿にて開催され、私と私の作品「T-800アニマトロニックバスト」も招いて頂きました。「留之助商店オーナー」としてではなく「ジャーナリスト」としての中子さんを目撃することができ、また1980年代SFX界の貴重なお話を拝聴でき、私にとってこれ以上ないひと晩になりました。
動画は、「ファンの方にサインをする中子氏と、動くT-800」の光景です。
この動画を見てあらためて思ったこと。
「僕の大切にしてきた『THEターミネーターALBUM』にもいつかサインを頂かなきゃ」
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